– つくることに関して –
■デザイン
必要以上に装飾は施さずに、素材の美しさや魅力を活かしたバランスを大切にしたデザインを心掛けています。
■製作
機械技術の発達が進んでない時代は、靴作りは職人の手とその経験と知識、そして技術が最大限出せるように職人自身がカスタマイズした道具を用い、手製で手間暇をかけ1足1足が作られていました。型紙の作成、革漉き、縫製、つり込み、底付け、仕上げなど・・・細かく工程を分ければその数は100を超えます。
aTelierTでは昔ながらの手製での靴作りに敬意を込めてそれを基礎として、また「温故知新」で現代の技術も取り入れつつ機能性とファッション性のバランスのとれた靴作りを目指しています。
– 本革を素材に選ぶ理由 –
あらゆるファッション素材の中でも本革はその素材の美しさと強度を兼ね備えています。
そして地元に革素材作りの産業が根付いています。
– 美しさ –
本革は美しさの中に他の素材にはない深みと奥行きを持っています。
立体の革靴となったときには造形美としてそれが強調され、とても魅力的なものとなります。また使い込むほどに味が出る、雰囲気が増す「経年変化」が期待できるので、愛着を持って長く履いてもらえる靴を作ることができます。
– 強度 –
靴には山があり谷がありと複雑な立体の形をしています。その靴を作るためには、ある程度引っ張ってもちぎれない、伸びる素材が好ましいです。本革の部分部分で異なる伸びる方向があり、その性質を活かして靴の形にしていきます。
身につけるファッションアイテムの中でも、大きな負荷がかかる靴にはとりわけ強度が求められます。本革は引っ張りに対する強度を持ち合わせているため、靴に適した素材だと考えています。また加工性の良さから作るのみならず、修理の面でも好ましい素材です。
– 地元 –
aTelierTでは兵庫県姫路で作られた本革を使用しています。自ら製革工房(タンナー)へ赴き仕入れています。また直接打ち合わせを重ねて、オリジナルカラーを作ってもらっています。
革素材を作る方は職人であり、芸術家です。
生き物の「皮」は傷があったりただれがあったりと、1枚1枚が違います。それらの性質を裏打ちされた経験を基に見極め、それぞれに合ったレシピと工程で美しい「革」を作られています。
靴づくりでも同様なのですが、「素材の良さを活かした良いものづくり」をaTelierTのものづくりの理想としています。天然皮革の本来の素質・表情が活きるように、適度な染色とオイル加工と必要最低限の仕上げコーティングで極力素上げに近い状態で作ってもらっています。
– ものづくりのこころ構え –
丹精込めて丁寧に作られた革をaTelierTではできるだけ残さず、端の方まで使ってものづくりを行っています。靴のパーツではどうしても面積が足りない場合には小物のパーツに使い皆様にお届けしたく考えています。